第111回医師国家試験 I42(2017年)
正答:b
問題
21 歳の男性。38 °C台の発熱と倦怠感とを主訴に来院した。眼瞼結膜は貧血様である。頸部に小指頭大のリンパ節を数個触知する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。血液所見:赤血球 210 万、 Hb 7.4 g/dL、Ht 23 %、白血球 16,000(異常細胞 60 %)、血小板6万。骨髄血塗抹 May-Giemsa 染色標本(別冊No. 5)を別に示す。異常細胞のペルオキシダーゼ染色は陰性。
診断はどれか。
a.急性前骨髄球性白血病
b.急性リンパ性白血病
c.成人 T 細胞白血病
d.慢性骨髄性白血病
e.慢性リンパ性白血病

正答の理由
貧血、血小板減少、異常細胞の増加があり、骨髄では芽球様の細胞が多数みられます。ペルオキシダーゼ陰性で、選択肢では急性リンパ性白血病が最も合います。ただしMPO陰性の骨髄性白血病もあり、染色陰性だけでALLと確定しません。免疫表現型、染色体・遺伝子検査などで病型を確認します。
画像の見方
核優位で核小体を伴う芽球様細胞が多数みられる。形態だけでB/T系統や遺伝子型を確定しない。
各選択肢の検討
a.誤り。通常は顆粒の多い異常前骨髄球が増え、MPOが陽性となります。本例の所見とは合いません。
b.正しい。年齢、貧血・血小板減少、芽球様細胞増加と染色所見から最も考えられます。確定には免疫表現型等が必要です。
c.誤り。HTLV-1との関連や特徴的な成熟T細胞の形態などを確認する疾患で、本例の芽球主体の像とは合いません。
d.誤り。典型的な慢性期では成熟段階の異なる顆粒球が増え、BCR::ABL1を確認します。本問ではALLが適切です。
e.誤り。主に高齢者で成熟小型リンパ球が増える病態で、21歳の芽球主体の骨髄像と合いません。
覚えるポイント
芽球増加とMPO陰性はALLを示唆するが、免疫表現型で系統を確かめる。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。