在宅酸素療法の適応と根拠の限界|第111回医師国家試験I1

第111回医師国家試験 I1(2017年)

正答:d

問題

在宅酸素療法について正しいのはどれか。

a.高二酸化炭素血症には禁忌である。

b.特発性肺線維症の生命予後を改善する。

c.日本では肺結核後遺症が基礎疾患として最も多い。

d.肺高血圧症は動脈血酸素分圧の値にかかわらず適応がある。

e.運動時の酸素投与量はSpO₂が80%以上を保つように設定する。

正答の理由

公式正答はdです。日本の在宅酸素療法の制度では、肺高血圧症は高度慢性呼吸不全のPaO₂基準とは別の適応病態として扱われてきました。ただし、肺高血圧症なら低酸素血症や病型を問わず全員に酸素を投与するという意味ではありません。実際の導入・流量は安静時、睡眠時、運動時の酸素化や病態を評価して個別に決めます。

各選択肢の検討

a.誤り。高二酸化炭素血症だけで禁忌とはなりません。CO₂貯留悪化に注意して血液ガスや換気状態を評価します。

b.誤り。低酸素血症のある間質性肺疾患で酸素は検討しますが、IPFで生命予後改善が確立しているとはいえません。

c.誤り。COPDや間質性肺炎が主要な基礎疾患で、結核後遺症が最多ではありません。

d.出題上正しい。日本の制度上の適応病態を問う肢です。全病型・全患者への無条件な投与とは区別します。

e.誤り。80%は低すぎます。一般に90%程度以上を目安に病態に応じて調節し、CO₂貯留リスクなども考慮します。

覚えるポイント

HOTの制度上の対象と、個々の患者に必要な酸素投与を分けて考える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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