第111回医師国家試験 H26(2017年)
正答:d
問題
83 歳の女性。1か月前から続く不眠と食欲低下とを主訴に来院した。高血圧症で自宅近くの診療所を定期受診しており、血圧コントロールは良好である。既往歴に特記すべきことはない。血液検査、腹部超音波検査および上部消化管内視鏡検査で異常を認めない。半年前に夫を1年間の看病の後に亡くしている。
医療面接における医師の発言として適切でないのはどれか。
a.「体重の変化はいかがですか」
b.「死にたいと考えたりしたことはありませんか」
c.「長期間にわたり看病されたのですね、頑張りましたね」
d.「原因が明らかになるまで検査を繰り返し続けましょう」
e.「ここ半年の体の調子や気持ちの面での変化を教えてください」
正答の理由
身体疾患の評価を踏まえ、夫との死別後の気持ち、生活、抑うつ症状、希死念慮を丁寧に確認します。根拠なく検査を繰り返し続けると約束するdは適切ではありません。死別後の悲嘆を直ちにうつ病と断定せず、経過と生活機能、身体症状を包括的に評価します。
各選択肢の検討
a.適切。体重変化は食事摂取や全身状態を評価する重要な情報です。
b.適切。希死念慮は直接、落ち着いて確認します。質問を避けることで安全が確保されるわけではありません。
c.適切。看病の経験と負担に共感し、本人の思いを話せるようにします。決め付けや励ましの押し付けにはしません。
d.適切でない。新たな所見や必要性を吟味せず、原因が出るまで検査を無期限に反復する方針は不適切です。必要な再評価まで否定する意味ではありません。
e.適切。半年間の身体・心理面の変化を尋ね、悲嘆、抑うつ、社会的孤立などを評価します。
覚えるポイント
検査の反復を約束せず、身体・心理・生活面と自殺リスクを一緒に評価。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。