第111回医師国家試験 H22(2017年)
正答:e
問題
77 歳の女性。自宅の玄関で倒れているところを家人に発見され、痛みで立ち上がれないため救急車で搬入された。意識は清明。心拍数 92/分、整。血圧 170/100 mmHg。SpO2 100 %(リザーバー付マスク 10 L/分酸素投与下)。右股関節を動かすと痛がる。右下肢に腫脹を認めず圧痛もはっきりしない。上肢の筋力低下を認めない。四肢の腱反射は正常。感覚の左右差はない。いつもは 200 m 先のコンビニエンスストアまで杖をついて買い物に行っていたという。股関節エックス線写真 (別冊No. 2)を別に示す。
最も考えられるのはどれか。
a.恥骨骨折
b.坐骨骨折
c.腸骨骨折
d.股関節脱臼
e.大腿骨近位部骨折

正答の理由
高齢者の転倒後の起立困難と股関節運動時痛に加え、X線で右大腿骨近位部に骨の連続性の断裂と転位を認めます。転子部を含む近位部骨折が合います。明らかな腫脹や圧痛が乏しくても、近位部骨折は否定できません。
画像の見方
Lマーカーの反対側、右大腿骨近位部に骨折と転位を認める。骨頭は臼蓋内に保たれている。
各選択肢の検討
a.誤り。恥骨枝ではなく、右大腿骨近位部に目立つ骨折があります。
b.誤り。坐骨に主病変を認める画像ではありません。
c.誤り。腸骨翼の骨折を主所見とする画像ではありません。
d.誤り。骨頭が臼蓋から外れる脱臼像を主とせず、近位大腿骨の骨折と転位がみられます。
e.正しい。右大腿骨近位部に骨折・転位があり、症状とも一致します。
覚えるポイント
転倒後の股関節痛・起立困難は大腿骨近位部骨折を画像で確認する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。