第111回医師国家試験 H15(2017年)
正答:d
問題
絞扼性イレウスの原因となりうるのはどれか。
a.急性膵炎
b.急性虫垂炎
c.潰瘍性大腸炎
d.鼠径ヘルニア
e.下腸間膜動脈血栓症
正答の理由
鼠径ヘルニアのヘルニア門に腸管が嵌頓すると、腸管と腸間膜の血流が障害され、絞扼性腸閉塞を生じ得ます。血流障害による壊死につながるため緊急性があります。単に腸が動かない麻痺性イレウスや、血管自体が閉塞する腸管虚血とは機序を区別します。
各選択肢の検討
a.誤り。周囲炎症などによる麻痺性イレウスはあり得ますが、典型的な腸管絞扼の原因として選びません。
b.誤り。炎症・腹膜炎などで運動低下を来し得ますが、本問の代表的な絞扼機序はヘルニアです。
c.誤り。重症では中毒性巨大結腸症などを考えますが、腸管をヘルニア門で絞め付ける機序とは異なります。
d.正しい。嵌頓した腸管が圧迫されて血流障害を起こし、絞扼に進むことがあります。
e.誤り。血管閉塞による虚血であり、腸管の機械的閉塞に伴う絞扼とは区別します。
覚えるポイント
絞扼性腸閉塞は通過障害と血流障害。嵌頓ヘルニアは原因になる。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。