第111回医師国家試験 H1(2017年)
正答:d
問題
Alzheimer型認知症よりもうつ病でみられることが多いのはどれか。
a.見当識障害
b.遂行機能障害
c.物盗られ妄想
d.物忘れに対する深刻な悩み
e.脳波における基礎波の徐波化
正答の理由
うつ病では集中力や思考力の低下に伴う物忘れを強く自覚し、悲観的に悩むことがあります。Alzheimer型認知症では障害への自覚が乏しくなることが多いため、本問ではdを選びます。ただし認知症の初期にも悩みや不安はあり、うつ病との併存もあるので、訴えの強さだけで鑑別はできません。
各選択肢の検討
a.誤り。時・場所などの見当識障害は認知症で重視する所見で、この比較では選びません。
b.誤り。計画・遂行の障害は認知症でもみられます。うつ病でも低下し得ますが、今回の比較で最も適切な特徴ではありません。
c.誤り。記憶障害を背景に盗まれたと考える妄想は、Alzheimer型認知症でみられます。
d.正しい。物忘れを自覚し、深刻に受け止め悲観的に訴えることが相対的に多くなります。
e.誤り。認知症の進行などでみられ得る脳波変化であり、うつ病を代表する比較所見ではありません。
覚えるポイント
物忘れへの強い悩みはうつ病を考える手掛かり。ただし病識の有無だけで認知症を除外しない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。