第111回医師国家試験 G50(2017年)
正答:c
問題
42歳の男性。頸部のリンパ節腫大を主訴に来院した。数年前から風邪をひきやすいと感じていた。1年前から両側の頸部にリンパ節腫大を自覚していた。自宅近くの医療機関を受診したところ、右頸部リンパ節の生検で悪性腫瘍が疑われたため紹介されて受診した。両側の頸部に径3cmのリンパ節を数個触知する。右頸部に生検跡を認める。両側の腋窩に径2cmのリンパ節を1個触知する。脾を左肋骨弓下に3cm触知する。血液所見:赤血球302万、Hb 9.2g/dL、Ht 30%、白血球30,500(桿状核好中球3%、分葉核好中球3%、単球6%、リンパ球88%)、血小板19万。リンパ節生検組織のH-E染色標本(別冊No.9)を別に示す。
この患者のリンパ節の触診所見として最も考えられるのはどれか。
| 選択肢 | 圧痛 | 可動性 | 性状 |
|---|---|---|---|
| a | + | + | 軟 |
| b | + | − | 弾性硬 |
| c | − | + | 弾性硬 |
| d | − | − | 石様硬 |
| e | − | − | 軟 |

正答の理由
持続する多部位のリンパ節腫大、脾腫、著明なリンパ球増多から、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫などのリンパ系腫瘍を考えます。組織では小型リンパ球を主体とする増殖がみられます。一般的なリンパ系腫瘍のリンパ節は無痛性で可動性を保ち、弾性硬を呈するためcです。病型の確定には免疫表現型なども必要で、触診だけでは確定できません。
画像の見方
小型リンパ球を主体とする増殖と、やや淡明な領域を認める。病型の確定はこの画像だけで行わない。
各選択肢の検討
a.誤り。圧痛のある軟らかいリンパ節は炎症性腫大などを考えます。
b.誤り。圧痛があり可動性がないという組合せは、本症の典型所見ではありません。
c.正しい。圧痛なし・可動性あり・弾性硬が最も合います。
d.誤り。石様硬で可動性が乏しいリンパ節は癌の転移などを疑う所見です。
e.誤り。可動性がなく軟らかいという組合せは最適ではありません。
覚えるポイント
リンパ系腫瘍のリンパ節は無痛性・可動性あり・弾性硬が典型。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第111回医師国家試験問題および正答
- NCI:慢性リンパ性白血病PDQ
- Stanford Medicine 25:Lymph Node Exam
- Dana-Farber:リンパ腫のリンパ節の触診所見
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。