第111回医師国家試験 D58(2017年)
正答:a・c・e
問題
52歳の女性。就寝中に呼吸が止まるのを夫に指摘されて来院した。3か月前から動悸と昼間の眠気とを感じている。4か月前からうつ病で内服治療中である。喫煙は10本/日を30年間。飲酒はビール1,000 mL/日を20年間。
身長161 cm、体重78 kg。脈拍76/分、整。血圧156/104 mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。簡易モニター検査後のポリソムノグラフィで無呼吸低呼吸指数は26(基準5未満)、無呼吸の最長持続時間は112秒(基準9未満)、睡眠中のSpO2は最低値77 %、平均値96 %、いびきの回数は428/時間である。
この患者に対する働きかけとして適切なのはどれか。3つ選べ。
a.「禁煙しましょう」
b.「減量手術をしましょう」
c.「飲酒を制限しましょう」
d.「仰向けに寝るようにしましょう」
e.「内服薬の見直しについて相談しましょう」
正答の理由
肥満、強いいびき、日中の眠気と無呼吸低呼吸指数26から、閉塞性睡眠時無呼吸を考えます。禁煙、飲酒制限と、鎮静作用など呼吸に影響する内服薬の確認が適切です。薬は自己判断で中断せず処方医と相談します。減量は重要ですが、この情報だけで直ちに減量手術を選ぶわけではありません。CPAPなど病状に応じた治療評価も必要です。
各選択肢の検討
a.正しい。喫煙は気道への影響や心血管リスクの点からも中止を勧めます。
b.誤り。食事・運動による減量などを検討します。減量手術には別途適応評価が必要で、初回の一般的な働きかけとして一律には選びません。
c.正しい。アルコールは睡眠中の上気道閉塞を悪化させ得るため制限します。
d.誤り。仰臥位で悪化する例があり、横向きに寝ることが役立つ場合があります。仰向けを勧めるのは適切ではありません。
e.正しい。睡眠薬・鎮静作用のある薬などが悪化要因になっていないか、治療を担当する医師と確認します。うつ病治療薬全てを中止するという意味ではありません。
覚えるポイント
睡眠時無呼吸は減量・禁煙・飲酒制限・体位と薬剤の評価。治療薬の変更は処方医と相談。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第111回医師国家試験問題および正答
- NHLBI:Sleep Apnea、Treatment・生活習慣とPAP
- NHLBI:Your Guide to Healthy Sleep、睡眠時無呼吸と鎮静薬
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。