白内障術後の感染性眼内炎|第111回医師国家試験D56

第111回医師国家試験 D56(2017年)

正答:b・e

問題

78歳の男性。左眼の眼痛と視力低下とを主訴に来院した。3日前に日帰りで左眼の白内障手術を自宅近くの眼科診療所で受けた。2日前の手術翌日の受診時、視力は左0.8(1.2×-1.0 D)と術後経過は良好で、手術後に処方された点眼を続けるように言われたが、その日の夜から左眼の霧視を自覚するようになった。昨日から左眼痛も出現したため、手術を受けた診療所から紹介されて受診した。左眼の前眼部写真(別冊No.26)を別に示す。

適切な治療はどれか。2つ選べ。

a.縮瞳薬点眼

b.抗菌薬点滴静注

c.ステロイドパルス療法

d.周辺虹彩切除術

e.硝子体手術

結膜充血が強く、前房下方に白色の蓄膿を認めます。
別冊No.26 左眼前眼部写真 / 出典:厚生労働省・第111回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

白内障手術後数日で眼痛・視力低下が進み、前眼部写真では強い充血と前房蓄膿を認め、急性術後感染性眼内炎を考えます。緊急に眼科で抗菌薬の硝子体内投与や硝子体手術を検討する病態です。公式正答の抗菌薬点滴静注は重症例での補助的全身投与として理解し、眼内への抗菌薬投与の代わりになると考えないことが重要です。硝子体手術の適応は視力や炎症の重症度等により判断します。

画像の見方

結膜充血が強く、前房下方に白色の蓄膿を認めます。

各選択肢の検討

a.誤り。瞳孔を縮小する点眼だけでは感染を制御できず、本例の治療にはなりません。

b.公式正答。重症の感染性眼内炎で全身抗菌薬が補助的に用いられます。ただし硝子体内投与など局所の感染制御を優先します。

c.誤り。感染を疑う状況でステロイドパルスを単独で行うのは適切ではありません。補助的な抗炎症治療とは分けて考えます。

d.誤り。瞳孔ブロックによる閉塞隅角緑内障などへの処置で、術後感染性眼内炎の治療ではありません。

e.正しい。感染・炎症を伴う硝子体を除去し、検体採取・眼内抗菌薬投与とともに感染制御を図ります。

覚えるポイント

術後数日の眼痛・視力低下+前房蓄膿は眼内炎。眼内抗菌薬と必要に応じた硝子体手術を急ぐ。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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