高異型度腎盂尿路上皮癌の腎尿管全摘術|第111回医師国家試験D50

第111回医師国家試験 D50(2017年)

正答:c

問題

72歳の男性。血尿を主訴に来院した。1か月前から間欠的に血尿を自覚していたが、3日前から右側腹部の違和感も出現したため受診した。

尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血3+、沈渣に赤血球多数/1視野、白血球2〜5/1視野。尿細胞診はクラスV。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めない。腹部造影CTの水平断像(別冊No.23A)と冠状断像(別冊No.23B)とを別に示す。全身検索でリンパ節転移と遠隔転移とを認めない。膀胱鏡検査で異常を認めない。尿管鏡による生検で高異型度尿路上皮癌の細胞を認める。

治療法として適切なのはどれか。

a.腎摘出術

b.腎瘻造設術

c.腎尿管全摘術

d.尿管ステント留置

e.腎尿管膀胱全摘術

右腎盂・腎杯内を占める腫瘤を認め、周囲の腎実質は造影されています。
別冊No.23A・B 腹部造影CT / 出典:厚生労働省・第111回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

血尿、尿細胞診クラスV、腎盂内の腫瘍像と高異型度尿路上皮癌の生検結果から、高リスクの腎盂癌です。転移がなく手術可能であれば、腎・尿管と尿管口周囲の膀胱壁を一塊に切除する腎尿管全摘術が基本です。膀胱鏡で異常がない本例で膀胱全摘まで行う必要はありません。

画像の見方

右腎盂・腎杯内を占める腫瘤を認め、周囲の腎実質は造影されています。

各選択肢の検討

a.誤り。腎臓だけの摘出では尿管・尿管口周囲を残し、上部尿路上皮癌の標準切除として不十分です。

b.誤り。尿路閉塞の解除に用いますが、根治的な腫瘍切除にはなりません。

c.正しい。高リスクの非転移性上部尿路上皮癌に対する標準的な根治手術です。尿管口周囲の膀胱壁切除も含めます。

d.誤り。閉塞の改善は期待できても癌の根治治療にはなりません。

e.誤り。膀胱に病変がない本例で膀胱全体を摘出する適応は示されていません。膀胱壁の一部を切除するcとは異なります。

覚えるポイント

腎盂癌は尿路上皮癌。高リスク非転移例は腎尿管全摘+膀胱カフ切除。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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