第111回医師国家試験 C14(2017年)
正答:a
問題
妊娠12週の女性に比較的安全に使用できる抗菌薬はどれか。
a.セフェム系
b.キノロン系
c.アミノグリコシド系
d.テトラサイクリン系
e.クロラムフェニコール系
正答の理由
選択肢の中では、妊娠中の使用経験が蓄積しているセフェム系が比較的安全な選択です。妊娠12週という時期だけで一律に選ぶのではなく、感染部位、原因菌、薬剤感受性、アレルギーなども考慮します。他系統をすべて絶対禁忌とする意味ではありません。
各選択肢の検討
a.正しい。多くのデータで治療量と流産・先天異常の増加は示されておらず、必要な場合は妊娠中に使用されます。
b.誤り。妊娠中の第一選択としてセフェム系より優先する薬ではありません。ただし、ヒトで先天異常の増加が確立していると断定はできず、適応に応じて判断します。
c.誤り。胎児への耳毒性などが懸念され、全身投与は適切な代替薬がない重症感染などに限定して検討します。
d.誤り。特に妊娠中・後期の胎児歯牙着色や骨への影響が問題となり、通常はより安全性の確かな薬を選びます。初期曝露だけで先天異常が増えると断定はできません。
e.誤り。全身投与の妊娠中の安全性データが乏しく、重大な血液障害も問題となります。Gray baby症候群の懸念は主に分娩近くの使用に関するもので、妊娠12週特有の根拠ではありません。
覚えるポイント
妊娠中の抗菌薬は、感染症治療の必要性と薬剤ごとの安全性・時期を考慮する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第111回医師国家試験問題および正答
- UKTIS:Cephalosporins(2022、Version4)公開要約
- UKTIS:Quinolones(2025、Version4)公開要約
- UKTIS:Aminoglycosides(2022、Version2)公開要約
- UKTIS:Tetracyclines(2024、Version2.0)公開要約
- UKTIS:Chloramphenicol(2023、Version4)公開要約
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。