第111回医師国家試験 C10(2017年)
正答:b
問題
腹部の触診で呼吸に応じて移動する腫瘤はどれか。
a.膵囊胞
b.胆囊癌
c.腹部大動脈瘤
d.腹膜偽粘液腫
e.Krukenberg腫瘍
正答の理由
胆囊は肝下面に接しているため、肝臓とともに呼吸に伴って上下に動きます。このため、選択肢の中では胆囊癌による腫瘤が呼吸性移動を示し得ます。ただし、周囲へ浸潤して固定された進行癌など、必ず動くとは限りません。
各選択肢の検討
a.誤り。膵臓は後腹膜に位置し、膵囊胞は胆囊由来の腫瘤ほど典型的な呼吸性移動を示しません。
b.正しい。胆囊は肝臓に伴って動くため、胆囊由来の腫瘤は呼吸性移動を示し得ます。
c.誤り。腹部大動脈瘤で注目するのは拍動性、特に膨張性拍動です。
d.誤り。腹膜内への粘液貯留が主体で、肝臓に伴う限局性腫瘤の呼吸性移動を代表する病変ではありません。
e.誤り。転移性卵巣腫瘍で、肝臓・胆囊に伴う呼吸性移動を示す腫瘤ではありません。
覚えるポイント
肝臓・胆囊に由来する腫瘤では呼吸性移動を確認する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第111回医師国家試験問題および正答
- Oxford Medical Education:Abdominal examination・Palpating for the Liver and Gallbladder
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。