乳児の胃腸炎と循環血液量減少性ショック|第111回医師国家試験C3

第111回医師国家試験 C3(2017年)

正答:e

問題

乳児において循環血液量減少性ショックを生じる可能性がある疾患はどれか。

a.脊髄損傷

b.急性腎盂腎炎

c.食物アレルギー

d.心タンポナーデ

e.ウイルス性胃腸炎

正答の理由

ウイルス性胃腸炎では嘔吐と下痢によって水分が失われ、摂取不足も加わると脱水が進みます。乳児は脱水リスクが高く、重症化すると循環血液量減少性ショックを来すため、公式正答はeです。ただし、食物アレルギーの一型である食物蛋白誘発胃腸炎〈FPIES〉でも循環血液量減少性ショックを来すため、実臨床ではcの可能性も一律には否定できません。

各選択肢の検討

a.誤り。脊髄損傷に伴う神経原性ショックは、交感神経機能の障害による血管拡張を主な機序とする分布異常性ショックです。

b.誤り。感染が重症化して敗血症性ショックを来す場合、基本分類は分布異常性ショックです。

c.公式正答には含まれません。アナフィラキシーは主に分布異常性ショックですが、血管外への体液漏出も伴います。また、非IgE依存性の食物アレルギーである食物蛋白誘発胃腸炎〈FPIES〉では、嘔吐・下痢などにより循環血液量減少性ショックを来し得ます。食物アレルギーでは起こらないと断定しません。

d.誤り。心臓への血液流入が心囊液によって妨げられる閉塞性ショックです。

e.正しい。嘔吐・下痢による水分喪失で重度の脱水となり、循環血液量減少性ショックを生じます。

覚えるポイント

乳児の胃腸炎では嘔吐・下痢による脱水と循環不全を見逃さない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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