第111回医師国家試験 A37(2017年)
正答:b
問題
65歳の男性。健康診断で胸水の貯留を指摘されたため来院した。30年間、造船業に従事していた。胸部CTで右側の胸水貯留と胸膜肥厚とを認める。
次に行うべき検査はどれか。
a.縦隔鏡
b.胸腔穿刺
c.喀痰細胞診
d.気管支内視鏡
e.心エコー検査
正答の理由
造船業の長い職歴と片側胸水・胸膜肥厚から、石綿曝露と悪性胸膜中皮腫などを考えます。まず胸腔穿刺で胸水の性状・細胞診などを調べます。中皮腫では胸水細胞診が陰性でも否定できず、必要に応じて胸膜生検・胸腔鏡へ進みます。
各選択肢の検討
a.縦隔の病変を評価する検査で、まず胸水を調べる本例の次の検査ではありません。
b.正しい。超音波で安全な穿刺部位を確認し、胸水分析を行います。
c.胸膜病変の診断感度は限られ、胸水を直接採取する検査を優先します。
d.気道内病変の評価に用いますが、現時点では片側胸水の診断を優先します。
e.心不全の鑑別では用いますが、この職歴と局所的胸膜肥厚から胸水の精査が必要です。
覚えるポイント
石綿曝露歴+片側胸水・胸膜肥厚では中皮腫を考え、陰性細胞診だけで除外しない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。