第111回医師国家試験 A24(2017年)
正答:c
問題
76歳の男性。左眼の視力低下を主訴に来院した。視力は右0.8(1.2×+1.0D)、左0.1(0.3×+0.5D)。眼圧は右15mmHg、左18mmHg。眼底写真(別冊No.4A)と光干渉断層計〈OCT〉の結果(別冊No.4B)とを別に示す。
治療法はどれか。
a.抗菌薬点眼
b.ステロイド薬硝子体内注射
c.抗VEGF薬硝子体内注射
d.汎網膜光凝固
e.硝子体手術

正答の理由
高齢者の視力低下に加え、黄斑の出血とOCT上の網膜下液・網膜内の囊胞状変化から、滲出型加齢黄斑変性を考えます。脈絡膜新生血管等からの漏出を抑える抗VEGF薬の硝子体内投与が基本となります。画像だけから新生血管の詳細な病型を確定せず、追加検査と合わせて評価します。
画像の見方
眼底では黄斑付近に出血を認めます。OCTでは網膜内の囊胞状低反射域、網膜の隆起と網膜下液を認め、活動性の滲出性黄斑病変を示唆します。抗VEGF治療につながる所見です。
各選択肢の検討
a.誤り。細菌性の眼表面感染を治療する薬であり、黄斑の新生血管性病変に対する治療ではありません。
b.誤り。炎症性疾患や一部の黄斑浮腫で用いますが、本例の第一選択は抗VEGF療法です。
c.正しい。新生血管の増殖と漏出を抑えて病勢を管理します。
d.誤り。増殖糖尿病網膜症など広い網膜虚血を背景とする疾患で用い、本例の標準治療ではありません。
e.誤り。硝子体出血や牽引性病変など手術適応を示す所見は提示されていません。
覚えるポイント
高齢者の黄斑出血と網膜下液では滲出型AMDを考え、抗VEGF療法につなげる。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。