進行性嚥下困難と食道内視鏡像|第110回医師国家試験I61

第110回医師国家試験 I61(2016年)

正答:a

問題

72歳の女性。嚥下困難を主訴に来院した。2か月前から固形物が飲み込みにくいことを自覚し徐々に増悪するため受診した。体温36.4 ℃。脈拍60/分、整。血圧132/72 mmHg。表在リンパ節を触知しない。腹部は平坦、軟。食道の内視鏡写真(別冊No. 20)を別に示す。

考えられる疾患はどれか。

a.進行癌

b.平滑筋腫

c.アカラシア

d.逆流性食道炎

e.裂孔ヘルニア

別冊No. 20 食道内視鏡写真
別冊No. 20 / 出典:厚生労働省・第110回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

内視鏡写真では食道内腔を占める不整な隆起性病変に潰瘍形成を伴う。短期間で進行する固形物嚥下困難と合わせ、粘膜面に突出する進行食道癌が考えられる。平滑筋腫は通常、粘膜下の平滑な隆起である。

画像の見方

食道内腔に不整な隆起と潰瘍性変化を伴う病変がみられる。

各選択肢の検討

a.進行癌内腔を占める不整な潰瘍性腫瘤と進行する固形物嚥下困難から、選択肢では進行癌が最も疑われる。

b.平滑筋腫平滑筋腫は粘膜下の平滑な隆起として見えることが多く、潰瘍化した不整粘膜病変ではない。

c.アカラシアアカラシアは食道拡張や食物貯留、噴門部の締まりが手掛かりで、局所の潰瘍性腫瘤ではない。

d.逆流性食道炎逆流性食道炎はびまん性のびらん・発赤で、内腔を占める腫瘤を形成しない。

e.裂孔ヘルニア裂孔ヘルニアでは胃食道接合部の位置異常や胃粘膜の脱出をみるが、食道の潰瘍性腫瘤を説明しない。

覚えるポイント

進行する嚥下困難は食道閉塞性病変を示唆し、内視鏡で不整な粘膜病変があれば生検を含む悪性腫瘍の評価が必要となる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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