第110回I問題41:野球選手の肘離断性骨軟骨炎|第110回医師国家試験I41

第110回医師国家試験 I41(2016年)

正答:a

問題

15歳の男子。右肘関節痛を主訴に来院した。8歳から野球のリトルリーグに所属し投球練習を毎日行ってきた。6か月前から投球時に右肘が痛むようになってきた。症状が改善しないため受診した。身長168 cm、体重65 kg。右肘関節外側に軽度の腫脹と圧痛とを認める。右肘関節の関節可動域は、屈曲110°、伸展−20°である。右肘関節エックス線写真正面像(別冊No. 9A)と右肘関節CT(別冊No. 9B)とを別に示す。

優先すべき対応はどれか。

a.投球制限

b.可動域訓練

c.抗菌薬投与

d.ヒアルロン酸関節内注射

e.副腎皮質ステロイド投与

右肘関節エックス線正面像(別冊No. 9A)
別冊No. 9A / 出典:厚生労働省・第110回I別冊(原本の該当ページ)
右肘関節CT(別冊No. 9B)
別冊No. 9B / 出典:厚生労働省・第110回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

成長期の投球選手に生じた肘外側痛と上腕骨小頭の骨軟骨病変は、反復する負荷による離断性骨軟骨炎に合います。病変を治癒させるため、まず投球を中止・制限して負荷を除きます。正解はaです。

画像の見方

上腕骨小頭に骨軟骨病変を認める。 上腕骨小頭の病変部に分離・不整を認め、骨軟骨病変を確認。

各選択肢の検討

a.投球を休止し、病変部への反復負荷を避けることが初期対応です。

b.急性期に可動域訓練だけを優先すると病変部への負荷が続き、治癒を妨げるおそれがあります。

c.発熱や感染所見を欠き、画像は反復負荷による骨軟骨病変を示すため抗菌薬の適応ではありません。

d.変形性関節症などに対する注射であり、成長期の離断性骨軟骨炎に対する初期治療ではありません。

e.関節内ステロイドは病変部の修復を促す治療ではなく、若年者の本例で優先しません。

覚えるポイント

成長期の肘離断性骨軟骨炎では、病変の安定性と骨端線の状態を評価しつつ、まず投球負荷を止めます。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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