第110回医師国家試験 I33(2016年)
正答:a・d
問題
左乳頭直下の母指頭大の腫瘤を主訴とする患者で、腫瘤を指で圧迫したところ乳頭から分泌物を認めた。そのときの乳房の写真(別冊No. 8)を別に示す。
考えられるのはどれか。2つ選べ。
a.乳癌
b.乳腺症
c.乳腺線維腺腫
d.乳腺乳管内乳頭腫
e.プロラクチノーマ

正答の理由
乳頭直下の腫瘤と乳頭分泌があり、写真では乳頭部の変化も認めます。乳癌は乳頭直下の腫瘤や乳頭変化を呈し得ます。乳管内乳頭腫も乳頭近くにでき、腫瘤と乳頭分泌の原因になります。公式正答はa、dです。
画像の見方
乳頭直下を含む乳房の写真。局所の腫瘤と乳頭の形態を原本画像で確認。
各選択肢の検討
a.乳頭部の陥凹・変形を伴う乳癌があり、乳頭直下の腫瘤を認める本例では鑑別に挙がります。
b.乳腺症では乳房痛や周期性の硬結、分泌が起こることはありますが、写真の乳頭変化を伴う限局性腫瘤の組合せとしては選びません。
c.線維腺腫は若年者に多い可動性の良性腫瘤で、乳頭直下の分泌性腫瘤を典型としません。
d.単発性乳管内乳頭腫は乳頭近くの乳管内病変で、腫瘤や透明・血性分泌を起こし得ます。
e.プロラクチノーマは高プロラクチン血症による乳汁分泌や月経異常を来しますが、乳頭直下の局所腫瘤を説明しません。
覚えるポイント
乳頭分泌を伴う局所腫瘤では、乳管内乳頭腫などの良性病変と乳癌を区別するため画像・病理評価が必要です。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題(I問題)
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
- NCI: Benign & Precancerous Breast Conditions
- NCI: Breast Cancer Signs and Symptoms
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。