第110回I問題8|第110回医師国家試験I8

第110回医師国家試験 I8(2016年)

正答:c

問題

10年前からの次第に増強する下肢筋の脱力を訴える38歳の男性の大腿部CT(別冊No. 2)を別に示す。徒手筋力テストで下肢の近位筋にのみ左右対称性の筋力低下がある。兄も同様な脱力を示す。

最も考えられるのはどれか。

a.重症筋無力症

b.筋萎縮性側索硬化症

c.肢帯型筋ジストロフィー

d.Charcot-Marie-Tooth 病

e.HTLV-1関連ミエロパチー〈HAM〉

別冊No. 2の原本図版
別冊No. 2 / 出典:厚生労働省・第110回I問題(原本の該当ページ)

正答の理由

緩徐進行性の対称性近位筋力低下と同胞にもみられる家族歴に加え、大腿部CTの筋萎縮・脂肪置換は肢帯型筋ジストロフィーを支持する。

各選択肢の検討

a.重症筋無力症は神経筋接合部疾患で、易疲労性や日内変動が特徴です。慢性の筋脂肪置換と家族内発症を説明しません。

b.ALSでは上位・下位運動ニューロン徴候を伴い、筋力低下は通常このような対称性近位筋優位の筋疾患パターンではありません。

c.肢帯型筋ジストロフィーは遺伝性の進行性筋疾患で、骨盤帯・肩甲帯など近位筋の対称性筋力低下を来します。

d.Charcot-Marie-Tooth病は遺伝性末梢神経障害で、遠位筋萎縮、凹足、感覚障害などが目立ちます。

e.HTLV-1関連ミエロパチーは痙性対麻痺を主体とする脊髄疾患で、近位筋だけの筋原性筋力低下とは異なります。

覚えるポイント

慢性の対称性近位筋力低下と筋画像での脂肪置換は筋ジストロフィーを考え、遠位優位の神経障害や易疲労性と区別する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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