第110回医師国家試験 I3(2016年)
正答:d
問題
筋萎縮性側索硬化症患者で第6頸髄の頸椎症性脊髄症を合併するとき、筋萎縮性側索硬化症の病態によるのはどれか。
a.上腕二頭筋萎縮
b.腕橈骨筋筋力低下
c.大腿四頭筋反射亢進
d.下腿三頭筋線維束性収縮
e.Babinski 徴候陽性
正答の理由
第6頸髄の頸椎症性病変は頸髄・神経根に上肢の所見を生じ得る一方、下腿三頭筋の線維束性収縮はALSによる下位運動ニューロン障害を示す。
各選択肢の検討
a.上腕二頭筋萎縮はC5–C6神経根障害でも起こり、第6頸髄病変との区別が難しい所見です。
b.腕橈骨筋は主にC5–C6神経根支配で、頸椎症性病変でも筋力低下を生じ得ます。
c.膝蓋腱反射亢進は上位運動ニューロン徴候ですが、頸髄圧迫による脊髄路障害で説明できます。
d.下腿三頭筋の線維束性収縮は下位運動ニューロン脱落の徴候で、頸椎症病変のレベルから離れたALS病変を示します。
e.Babinski徴候は上位運動ニューロン徴候で、頸髄症でも陽性になり得ます。
覚えるポイント
ALSの下位運動ニューロン徴候(筋萎縮・線維束性収縮)と頸髄症による上位運動ニューロン徴候を病変高位と照らして区別する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題(I問題)
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
- ALS Association: Criteria for the Diagnosis of ALS
- NICE: Motor neurone disease—assessment and management
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。