第110回医師国家試験 G43(2016年)
正答:a
問題
43 80歳の男性。要介護2。糖尿病の増悪に対する血糖コントロールと認知症の精密検査のため入院中である。担当医の許可なく病院から外出することがあり、病気の理解度が非常に低い。現在は高齢の妻と2人暮らしで、子供はいない。夫婦とも退院後は自宅で暮らすことを希望している。身体に麻痺などの障害はない。退院後もインスリン注射、経口血糖降下薬および抗認知症薬による継続治療が必要である。インスリン注射手技は妻が習得したが自信がないという。
患者本人、妻、その他の家族、ケアマネジャー、医療ソーシャルワーカー、医師および看護師を含む多職種カンファレンスの結果、自宅へ戻ることになった。
退院時に優先して手配を考慮すべき地域サービスはどれか。
a.訪問看護
b.送迎サービス
c.居宅介護住宅改修
d.訪問入浴サービス
e.通所リハビリテーション
正答の理由
本人は認知症で病識が乏しく、妻は注射手技に自信がなく、退院後もインスリン治療が必要である。退院直後から注射・服薬管理や血糖確認を支援できる訪問看護を優先する。
各選択肢の検討
a.訪問看護:看護師が注射手技・服薬や注射の管理、血糖測定などを在宅で支援でき、家族の手技への不安にも対応するため適切。
b.送迎サービス:通院などの移動には役立つが、在宅で必要なインスリン注射や服薬管理の支援にはならない。
c.居宅介護住宅改修:手すり設置など住環境整備が中心で、身体障害のない本例の最優先課題を解決しない。
d.訪問入浴サービス:自宅での入浴介助が必要な場合に用いる。本例には入浴動作の障害が示されていない。
e.通所リハビリテーション:心身機能の維持・回復を目的とし、インスリン管理の支援という退院直後の課題に直接対応しない。
覚えるポイント
認知症を伴う糖尿病患者では、自己注射・服薬管理を誰が担うかを退院前に整え、必要に応じて訪問看護を導入する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。