球麻痺徴候と上位・下位運動ニューロン徴候に加え、針筋電図の安静時自発電位は脱神経電位を示す。|第110回医師国家試験E44

第110回医師国家試験 E44(2016年)

正答:c

問題

68 歳の男性。食べ物が飲み込みにくいことを主訴に来院した。2か月前から、 食事の際にむせやすくなり、最近、重い物が持ちにくくなったため受診した。65 歳ころから自宅近くの診療所で高血圧症の治療を受けている。意識は清明。身長 172 cm、体重 68 kg。体温 36.4 °C。脈拍 88/分、整。血圧 146/82 mmHg。眼球運動に異常を認めない。舌に軽度の萎縮と線維束性収縮とを認める。徒手筋力テストで頸部前屈筋群4、三角筋4である以外は正常で、握力は右 28 kg、左 24 kg である。腱反射は上下肢ともに軽度に亢進している。血液生化学所見に異常を認めない。上腕二頭筋で施行した安静時の針筋電図(別冊No. 6)を別に示す。

針筋電図で認められるのはどれか。

a.時間的分散

b.多相性電位

c.脱神経電位

d.伝導ブロック

e.ミオトニー放電別冊 No. 6

別冊No.6の安静時針筋電図
別冊No.6 / 出典:厚生労働省・第110回E別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

嚥下障害、舌萎縮・線維束性収縮、腱反射亢進は筋萎縮性側索硬化症を示唆する。針筋電図では線維自発電位や陽性鋭波などの脱神経電位を認める。

各選択肢の検討

a.誤り。時間的分散は脱髄性末梢神経障害でみられる所見です。

b.誤り。多相性電位は神経再支配などでもみられ、図の安静時所見を最もよく表しません。

c.正しい。針筋電図で安静時の線維自発電位・陽性鋭波など脱神経電位を認めます。

d.誤り。伝導ブロックは末梢神経の脱髄性障害でみられ、ALSの代表所見ではありません。

e.誤り。ミオトニー放電は筋強直性疾患などに特徴的な反復放電です。

覚えるポイント

ALSでは上位・下位運動ニューロン徴候と針筋電図の脱神経所見を確認する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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