心理的ストレス後に神経学的異常なしで発声不能となっており、転換症状(機能性神経症状)が考えられる。|第110回医師国家試験E43

第110回医師国家試験 E43(2016年)

正答:b

問題

20 歳の女性。声が出なくなったことを主訴に友人とともに来院した。今朝、いつもどおりに大学に行ったが、1限目の講義が終了したころから声がかすれるようになり、1時間後には全く声が出なくなった。友人とともに保健管理室で相談したところ、医療機関へ行くことを勧められたため受診した。1年前から部活動での人間関係のトラブルを契機として、不安感や情動の不安定性が出現し治療を受けていた。受診時、筆談は可能で理解力は保たれ、意識は清明と考えられた。発声できないこと以外に神経学的所見に異常を認めない。血液生化学所見、脳波および頭部 CT で異常を認めない。 この患者にみられるのはどれか。

a.解離

b.転換

c.離人症

d.被影響体験

e.させられ(作為 )体験

正答の理由

器質的な神経学的異常を説明する所見がなく、選択肢中では発声不能を転換症状(機能性神経症状)として捉える。現代の機能性神経症状症の診断は正常検査や心理的ストレスだけによる除外診断ではなく、診察上の陽性所見を含めて判断するため、本問の情報だけで臨床診断を確定できるわけではない。

各選択肢の検討

a.誤り。解離は記憶・意識・同一性などの統合が障害される症状を指します。

b.正しい(選択肢中)。神経学的・器質的異常で説明できない発声障害は転換症状に相当します。ただし現代の機能性神経症状症の診断は、陰性検査や心理的ストレスだけでなく陽性の臨床所見に基づきます。

c.誤り。離人症は自己や周囲が非現実的に感じられる体験です。

d.誤り。被影響体験は思考や行為を他者に操られると感じる精神病性体験です。

e.誤り。させられ体験は自己の行為が外部から操られると感じる体験です。

覚えるポイント

心理的要因と関連する神経症状は転換症状を考える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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