第110回医師国家試験 D42(2016年)
正答:b
問題
29 歳の女性。6か月前から無月経となったため来院した。2年前と6か月前とに稽留流産のため子宮内容除去術を受けていた。内診で子宮の大きさは正常で可動性は良好である。経腟超音波検査で卵巣に異常を認めない。乳汁分泌を認めない。 基礎体温は二相性である。妊娠反応は陰性である。子宮卵管造影像(別冊No. 16)を別に示す。患者は早期の妊娠を希望している。
適切な治療はどれか。
a.抗菌薬投与
b.子宮鏡下手術
c.排卵誘発薬投与
d.エストロゲン投与
e.ドパミン作動薬投与

正答の理由
子宮内容除去術後の続発性無月経、二相性基礎体温、正常な卵巣所見から、排卵は保たれ子宮腔癒着が疑われる。妊娠を希望する場合は子宮鏡で癒着を確認し、癒着剝離を行う。
画像の見方
子宮卵管造影で子宮腔内の不整・欠損像と卵管の通過所見を確認する。
各選択肢の検討
a.感染所見がなく、術後の子宮腔癒着を改善する治療ではない。
b.正しい。子宮鏡で子宮腔内を観察し、癒着を剝離する。
c.排卵が保たれている所見があり、無月経の原因は排卵障害より子宮腔病変が考えられる。
d.エストロゲン単独投与では癒着を解除できない。
e.高プロラクチン血症を示す乳汁分泌などがなく、ドパミン作動薬の適応を示さない。
覚えるポイント
子宮内操作後の無月経では子宮腔癒着を考え、子宮鏡で診断・治療する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題 D(問題冊子 p.35)
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
- AAGL/ESGE practice guidelines on intrauterine adhesions
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。