第110回医師国家試験 D24(2016年)
正答:d
問題
24 52 歳の男性。咽頭痛と嚥下困難とを主訴に来院した。咽頭所見(別冊No. 3A)、 頭部造影 MRI の T1 強調水平断像(別冊No. 3B) 及び生検組織の H-E 染色標本(別冊No. 3C)を別に示す。生検組織の免疫組織化学染色標本で、ヒトパピローマウイルスの持続感染を示唆する p16 蛋白が強陽性であった。口腔粘膜擦過検体の PCR検査でもヒトパピローマウイルスが検出された。
適切な対応はどれか。
a.経過観察
b.抗菌薬投与
c.扁桃摘出術
d.放射線化学療法
e.抗ウイルス薬投与


正答の理由
中咽頭の腫瘤と生検、p16強陽性、HPV検出からHPV関連中咽頭癌です。局所進行癌では放射線化学療法が根治治療の選択肢となり、抗ウイルス薬では腫瘍を治療できません。
画像の見方
中咽頭に腫瘤性病変を認める。
各選択肢の検討
a.p16陽性とHPV検出を伴う中咽頭癌が疑われ、進行・転移の危険があるため経過観察は不適切です。
b.HPV関連の悪性腫瘍を示す所見で、抗菌薬では腫瘍を治療できません。
c.中咽頭癌は病期に応じた放射線化学療法が標準的選択肢で、扁桃摘出だけでは頸部リンパ節を含む治療になりません。
d.正しい。中咽頭癌に対する根治的治療として放射線化学療法を行う。
e.HPV感染の除去を目的とする抗ウイルス薬は癌治療になりません。
覚えるポイント
中咽頭の腫瘤と生検、p16強陽性、HPV検出からHPV関連中咽頭癌です。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題D(問題冊子p.17)
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表(D24)
- 日本頭頸部癌学会:頭頸部癌診療ガイドライン
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。