第110回医師国家試験 B31(2016年)
正答:d
問題
1か月続く37℃台の発熱と頸部リンパ節腫大とを主訴に来院した22歳の男性。
胸部エックス線写真で異常を認めない。リンパ節生検組織のH-E染色標本(別冊No.4 A、B)を別に示す。
追加して行う染色として最も有用なのはどれか。
a.PAS染色
b.Gram染色
c.Grocott染色
d.Ziehl-Neelsen染色
e.ヒメネス(Gimenes)染色


正答の理由
若年者の頸部リンパ節腫大、遷延する微熱、胸部X線正常でもリンパ節結核は鑑別に残る。結核菌など抗酸菌を確認する追加染色はZiehl-Neelsen染色である。画像の類上皮細胞性肉芽腫・乾酪壊死様所見は結核を示唆するが、抗酸菌の検出は診断を補強するが、菌種の確定には培養や核酸増幅検査も必要となる。
各選択肢の検討
a.誤り。PAS染色は真菌や糖質成分の確認などに用い、抗酸菌の確認には適さない。
b.誤り。Gram染色は一般細菌の鑑別に用いるが、結核菌の確認には抗酸菌染色が適する。
c.誤り。Grocott染色は真菌を強調する染色で、結核菌の確認には用いない。
d.正しい。Ziehl-Neelsen染色は結核菌を含む抗酸菌の検出に用いる。
e.誤り。ヒメネス染色はリケッチアやレジオネラなどに用い、抗酸菌確認の第一選択ではない。
覚えるポイント
結核性リンパ節炎では抗酸菌染色・培養・核酸増幅検査等を組み合わせる。染色陰性でも結核を否定できない。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- CDC: Core Curriculum on Tuberculosis, laboratory diagnosis
- CDC:結核の臨床・検査診断
- 厚生労働省:第110回医師国家試験B問題
- 厚生労働省:第110回医師国家試験正答値表
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。