第110回医師国家試験 A44(2016年)
正答:a
問題
32歳の初妊婦。甲状腺機能の検査を希望して来院した。妊娠10週ころから動悸を感じ、妊娠12週で甲状腺機能異常を認めたため紹介されて受診した。甲状腺はびまん性に軽度腫大し、TSH 0.02 μU/mL(基準0.2〜4.0)、FT4 3.2 ng/dL(基準0.8〜2.2)であった。またヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は200,000 mIU/mL(基準16,000〜160,000)であった。
次に測定すべき検査項目はどれか。
a.TRAb
b.サイログロブリン
c.尿中ヨウ素排泄量
d.抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体
e.放射性ヨード(123I)の甲状腺摂取率
正答の理由
妊娠初期にhCGが高値で甲状腺機能亢進を認めるため、hCGの甲状腺刺激による妊娠一過性甲状腺中毒症とBasedow病を区別します。TRAbはBasedow病の診断に有用です。放射性ヨード摂取率検査は妊婦には行えません。
各選択肢の検討
a.正しい。TRAbはBasedow病の診断に有用です。
b.甲状腺中毒症の原因鑑別に第一選択となる検査ではありません。
c.本例の鑑別に適した検査ではありません。
d.自己免疫性甲状腺疾患に関連しますが、Basedow病との鑑別にはTRAbが適します。
e.妊娠中の放射性ヨード検査は胎児被曝のため禁忌です。
覚えるポイント
妊娠初期の甲状腺中毒症ではTRAbでBasedow病を評価し、放射性ヨード検査は行わない。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- American Thyroid Association 2026 Pregnancy Guideline
- ATA Guidelines: Thyroid Disease During Pregnancy
- 厚生労働省 第110回医師国家試験 正答
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。