第110回医師国家試験 A42(2016年)
正答:e
問題
3歳の男児。言葉が出ないことを主訴に両親に連れられて来院した。運動発達に問題はなかったが、言葉が出てこなかった。診察室では、視線は合わず動き回り、体を前後に揺らし、回転することが多い。積み木を見つけて遊び始めると、集中して1列に並べ始め、親の呼びかけにも振り向かない。運動発達に遅れはなく、聴覚障害の所見は認めない。
この疾患について正しいのはどれか。
a.偏食はまれである。
b.言葉の理解は良い。
c.両親の養育態度が原因である。
d.症状が出そろうのは青年期である。
e.自分の意思を伝達することに障害がある。
正答の理由
言語発達の遅れ、視線が合いにくい、反復運動、物を一列に並べる行動、呼びかけへの反応の乏しさは自閉スペクトラム症に合います。中核症状には社会的コミュニケーション・相互作用の持続的な困難と、限定反復的な行動・興味があります。
各選択肢の検討
a.偏食など感覚・行動面の特徴は比較的よくみられます。
b.言語理解も含め個人差があり、良好と一概にいえません。
c.養育態度が原因ではありません。
d.症状は発達早期からみられます。
e.正しい。社会的コミュニケーションと相互作用に困難を来します。
覚えるポイント
自閉スペクトラム症は発達早期からの社会的コミュニケーションの困難と限定反復行動を特徴とする。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第110回医師国家試験問題および正答
- CDC: Clinical Testing and Diagnosis for Autism Spectrum Disorder
- CDC: Autism Spectrum Disorder
- 厚生労働省 第110回医師国家試験 正答
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。