癌性腹水の診断|第110回医師国家試験A30

第110回医師国家試験 A30(2016年)

正答:b

問題

75歳の男性。食欲不振と腹部膨満感を主訴に来院した。1年前に進行胃癌で胃全摘術を受けている。術後に抗癌化学療法が行われたが、その後は通院していなかった。6週前から少しずつ食欲不振と腹部膨満感を認め、2日前から急激に増悪した。食事摂取量は低下していたが、排便と排ガスは認めていた。身長167 cm、体重45 kg。体温36.6℃。脈拍84/分、整。血圧136/80 mmHg。眼球結膜は軽度貧血様である。手掌紅斑やくも状血管腫は認めない。腹部は全体に膨隆・緊満し、臍窩の平坦化と波動を認める。肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認める。腹部単純CT(別冊No.6)を別に示す。次に行うべき検査はどれか。

a.PET/CT

b.腹水細胞診

c.腹部単純MRI

d.上部消化管内視鏡検査

e.下部消化管内視鏡検査

腹部単純CT
A問題30 別冊No.6 / 出典:厚生労働省・第110回A問題(原本の該当ページ)

正答の理由

胃癌術後に腹水を示す腹部所見とCT所見があり、腹膜播種による癌性腹水が疑われます。腹水穿刺を行い、細胞診で悪性細胞の有無を調べるのが次の検査です。

画像の見方

腹部CTで腹水の貯留を認める。

各選択肢の検討

a.誤り。PET/CTは腹水の原因を確定する第一選択ではありません。

b.正しい。腹水を採取して細胞診を行い、癌性腹膜炎を評価します。

c.誤り。単純MRIは腹水の細胞学的診断になりません。

d.誤り。上部内視鏡では腹膜播種の有無を診断できません。

e.誤り。下部内視鏡では腹水の原因を直接評価できません。

覚えるポイント

癌既往のある腹水では腹水穿刺による細胞診を含む腹水検査で原因を評価する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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