第109回医師国家試験 I65(2015年)
正答:e
問題
65 32歳の男性。急に身体に力が入らなくなったため救急搬送された。過去にも2、3度似たようなエピソードがあったが自然軽快したためそのままにしていた。意識は清明。脈拍84/分、整。血圧200/110 mmHg。呼吸数16/分。近位筋に強い全身筋力低下があり起きあがれない。体型はやや女性的で、幼いころは女児とよく間違われたという。
血液生化学所見:Na 146 mEq/L、K 1.8 mEq/L、Cl 104 mEq/L。動脈血ガス分析 (room air) :pH 7.53、PaCO₂ 43 Torr、PaO₂ 87 Torr、HCO₃⁻ 35 mEq/L。カリウム含有の補液治療を受け、動けるようになった。
最も考えられるのはどれか。
a.Basedow 病
b.Klinefelter 症候群
c.アンドロゲン不応症
d.原発性アルドステロン症
e.先天性副腎皮質過形成(17α-hydroxylase 欠損症)
正答の理由
高血圧、低K血症、代謝性アルカローシスに、性ステロイド不足を示す女性化した体型がそろいます。17α-hydroxylase欠損ではコルチゾール・性ステロイド合成が低下し、DOCなどの鉱質コルチコイド作用で高血圧と低K血症を来します。
各選択肢の検討
a.Basedow病では甲状腺中毒症が周期性四肢麻痺の原因になり得ますが、高血圧と性発達異常を一元的に説明しません。
b.Klinefelter症候群では性腺機能低下や高身長などがみられますが、低K性代謝性アルカローシスを来しません。
c.アンドロゲン不応症では46,XYで外性器女性化などを呈しますが、鉱質コルチコイド過剰による高血圧・低K血症は典型ではありません。
d.原発性アルドステロン症は高血圧と低K血症を説明しますが、外性器・体型の女性化は説明できません。
e.正しい。17α-hydroxylase欠損による性ステロイド低下とDOC作用が、女性化、高血圧、低K血症を説明します。
覚えるポイント
高血圧、低K血症、代謝性アルカローシスに、性ステロイド不足を示す女性化した体型がそろいます。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。