爆発事故後の意識障害と聴覚|第109回医師国家試験H28

第109回医師国家試験 H28(2015年)

正答:e

問題

28 32 歳の男性。意識障害のため搬入された。 1 時間前に化学工場で大音響を伴う爆発炎上事故があり、燃えている建物から逃げ出して座り込んだところで救助され救急搬送された。職場の記録によると既往歴に特記すべきことはない。搬入時、体温 36.0 °C。脈拍 104/分、整。血圧 112/76 mmHg。呼吸数 16/分。SpO₂ 88 %(リザーバー付マスク 10 L/分酸素投与下)。顔面に煤が付着しているが、体幹や四肢に明らかな出血や損傷はみられず着衣の汚染もない。救急隊により意識レベルはJCSII-30 と観察され、バックボードで全脊柱固定されている。搬入時は自発開眼があり、呼びかけに対して「えっ、なに。えっ、なんだって」と叫び返して会話が成立しない。口頭での指示に応じず、時々両手を耳のそばに持っていく。この時点で行うべきなのはどれか。

a.頸椎固定を外す。

b.酸素投与をやめる。

c.筋弛緩薬を投与する。

d.頭部 CT を最優先で施行する。

e.筆談による意思疎通を試みる。

正答の理由

爆発音の直後から呼びかけが通じず耳に手を当てる様子は、爆風による聴覚障害を示唆します。指示を理解できない理由を確認するため、筆談など視覚的な方法で意思疎通を試みます。低酸素への酸素投与や外傷評価も継続します。

各選択肢の検討

a.明らかな頸椎損傷の所見が示されていないため、意識障害だけで全脊柱固定を直ちに解除するのは適切でありません。

b.低酸素血症があり、酸素投与は続けて気道・呼吸を評価します。

c.意思疎通の問題がある段階で筋弛緩薬を投与する適応はありません。

d.外傷評価は必要ですが、まず酸素化・気道など一次評価を継続し、頭部CTだけを最優先にする状況ではありません。

e.爆発後の耳の損傷による難聴が疑われ、筆談など視覚情報による意思疎通を試します。

覚えるポイント

爆発音の直後から呼びかけが通じず耳に手を当てる様子は、爆風による聴覚障害を示唆します。指示を理解できない理由を確認するため、筆談など視覚的な方法で意思疎通を試みます。低酸素への酸素投与や外傷評価も継続します。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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