第109回医師国家試験 G17(2015年)
正答:e
問題
放射線の確率的影響で正しいのはどれか。
a.放射線宿酔が含まれる。
b.線量に閾〈しきい〉値がある。
c.線量と重症度に相関がある。
d.防護目標は発生の防止である。
e.ヒトでは遺伝的影響は確認されていない。
正答の理由
確率的影響は発生確率が線量とともに増加し、個人の影響の重症度は線量に依存しないと扱われる。ヒト集団では被ばくによる遺伝性影響は確認されておらず、試験の選択肢ではeが正しい。放射線宿酔は高線量による組織反応(確定的影響)であり、遺伝的影響の非確認は「リスクがゼロ」という意味ではない。
各選択肢の検討
a.放射線宿酔が含まれる。:誤り。高線量全身被ばく後の急性症状で、組織反応に分類する。
b.線量に閾〈しきい〉値がある。:誤り。確率的影響の防護上のモデルではしきい値を設けない。
c.線量と重症度に相関がある。:誤り。線量に依存すると考えるのは発生確率であり、重症度ではない。
d.防護目標は発生の防止である。:誤り。確率的影響では線量低減により発生確率を合理的に低くする。
e.ヒトでは遺伝的影響は確認されていない。:正しい。動物実験から遺伝性影響は想定されるが、被ばく集団のヒトで遺伝的影響が実証されたとはいえない。
覚えるポイント
確率的影響は発生確率と線量が関係し、重症度は線量に依存しない。ヒトで未確認でも危険性が否定されたわけではない。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第109回医師国家試験問題および正答
- 第109回医師国家試験問題(G問題)
- 第109回医師国家試験正答値表
- ICRP Publication 120: Radiological Protection in Cardiology
- UNSCEAR, Answers to frequently asked questions about radiation
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。