第109回医師国家試験 E30(2015年)
正答:d
問題
CO2ナルコーシスについて正しいのはどれか。
a.低酸素血症は伴わない。
b.病初期には徐脈を呈する。
c.進行期には散瞳を呈する。
d.肺胞低換気は原因となる。
e.急速にPaCO2を低下させる必要がある。
正答の理由
肺胞低換気では二酸化炭素の排出が不十分となってPaCO2が上昇し、呼吸性アシドーシスや意識障害を来します。したがって肺胞低換気はCO2ナルコーシスの原因です。
各選択肢の検討
a.誤り。CO2ナルコーシスの原因となる肺胞低換気は低酸素血症を伴うことも多く、低酸素血症を伴わないとはいえません。
b.誤り。急性高CO2血症では初期に換気応答が高まり頻呼吸・頻脈となることがあり、病初期から徐脈とは限りません。
c.誤り。散瞳はCO2ナルコーシスの進行を判定する定型的な所見ではなく、原因の評価には換気状態、動脈血ガス、意識状態を用います。
d.正しい。肺胞低換気はCO2排出を低下させ、PaCO2上昇と意識障害の原因になります。
e.誤り。PaCO2は原因を是正して下げますが、慢性高CO2血症では急激な低下により代償性のアルカローシス等を招くため、急速に下げることが常に必要とはいえません。
覚えるポイント
肺胞低換気でCO2が貯留し、意識障害を含む高CO2血症の症状を来す。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第109回医師国家試験問題および正答
- 第109回医師国家試験問題(E問題)
- 第109回医師国家試験正答値表
- Ventilatory Failure — MSD Manual Professional Edition
- BTS guideline for oxygen use in adults in healthcare and emergency settings
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。