第109回医師国家試験 C27(2015年)
正答:a
問題
65歳の女性。動悸を訴え、外来の処置室で臥床している。
現病歴:本日、眼底検査のため来院し眼科外来の待合室の長椅子に座って待っていた。看護師が声かけしたところ、応答が鈍く、冷汗がみられた。体調について尋ねたところ、患者は動悸を訴えた。処置室へ移動するために、立ち上がろうとしたときにふらつきがみられた。処置室で臥床後も動悸は続いている。
既往歴:5年前から高血圧症と糖尿病とで内科で治療中である。カルシウム拮抗薬、利尿薬、スルホニル尿素薬およびビグアナイド薬を内服し血圧は150/92 mmHg程度、この1年間のHbA1cは8.5%程度。
生活歴:喫煙は10本/日を40年間。
家族歴:姉が脳梗塞で右片麻痺。弟が急性心筋梗塞のため60歳で死亡。
現症:意識レベルはJCSⅠ-1。体温36.4℃。脈拍108/分、整。血圧166/96 mmHg。呼吸数22/分。SpO₂ 98%(room air)。
直ちに行うべき検査はどれか。
a.血糖測定
b.頭部MRI
c.心エコー検査
d.甲状腺機能検査
e.胸部エックス線撮影
正答の理由
糖尿病患者の応答低下、冷汗、動悸は低血糖をまず除外すべき状況です。ベッドサイド血糖はすぐ実施でき、意識障害の可逆的原因を迅速に確認できるため、他の精査より先に測定します。
各選択肢の検討
a.正しい。意識変容時には血糖を直ちに測定し、低血糖なら速やかに補正します。
b.頭部MRIは脳血管障害などを評価しますが、速やかに確認・治療できる低血糖の除外を後回しにすべきではありません。
c.心エコー検査は心機能や構造異常の評価に用いますが、急性の意識変容に対する最初の検査ではありません。
d.甲状腺機能検査は動悸の鑑別に役立ちますが、結果判明に時間を要し、まず低血糖を確認する必要があります。
e.胸部X線は肺・心陰影の評価に用いますが、意識変容の初期にまず行う検査ではありません。
覚えるポイント
意識変容時にベッドサイド血糖を測定。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第109回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省:第109回医師国家試験C問題(問題冊子)
- 厚生労働省:第109回医師国家試験正答値表
- NIDDK: Low Blood Glucose (Hypoglycemia)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。