ビタミンB₁欠乏による末梢神経障害|第109回医師国家試験C16

第109回医師国家試験 C16(2015年)

正答:b

問題

40歳の男性。ふらつきを主訴に来院した。半年前に人間関係のストレスのため退職し引きこもるようになった。食事は即席麺やおにぎり、スナック菓子をスポーツドリンクやビールとともに摂取するのみであった。2か月前から歩行時にふらつくようになり、四肢末端のしびれ感が徐々に増強するため受診した。意識は清明。脈拍68/分、整。血圧148/86 mmHg。Mini-Mental State Examination〈MMSE〉30点(30点満点)。四肢の腱反射は左右差なく減弱し、手袋靴下型の表在覚と振動覚の低下を認める。

この患者で欠乏しているのはどれか。

a.ビタミンA

b.ビタミンB₁

c.ビタミンB₁₂

d.ビタミンC

e.ビタミンD

正答の理由

食事が偏り、アルコールも摂取する患者に、手袋靴下型の感覚低下、腱反射低下、歩行時のふらつきという末梢神経障害がみられます。ビタミンB₁欠乏による脚気(乾性脚気)を考えます。MMSEは満点で、眼球運動障害や意識障害も記載されていないため、Wernicke脳症を示す問題ではありません。

各選択肢の検討

a.ビタミンA欠乏では夜盲や眼球乾燥などの視覚症状が中心で、この患者の末梢神経障害を説明しません。

b.正しい。ビタミンB₁欠乏は末梢神経の感覚・運動・反射機能を障害し、脚気を起こします。偏った食事としびれ、反射低下が合致します。

c.ビタミンB₁₂欠乏では巨赤芽球性貧血や後索・錐体路障害を伴うことがありますが、食事歴と手袋靴下型末梢神経障害からはB₁欠乏が最も合います。

d.ビタミンC欠乏では壊血病として歯肉出血、紫斑、創傷治癒遅延などがみられ、末梢神経障害は典型ではありません。

e.ビタミンD欠乏は骨軟化症や骨痛、近位筋力低下を来し得ますが、遠位の感覚障害や腱反射低下を説明しません。

覚えるポイント

ビタミンB₁欠乏による末梢神経障害。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第109回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました