悪性腫瘍治療前の妊孕性温存|第109回医師国家試験B49

第109回医師国家試験 B49(2015年)

正答:b・c

問題

28歳の男性。右頸部腫瘤を主訴に来院した。2か月前から右頸部腫瘤が増大し、1週前から発熱が出現したため受診した。体温38.2℃。右頸部と左鎖骨上窩とに径3cmの圧痛のないリンパ節を2個触知する。頸部リンパ節生検で、びまん性大細胞性B細胞型リンパ腫と診断された。PET/CTでは右頸部、左鎖骨上窩および縦隔に取り込みを認めた。

治療開始に際して適切なのはどれか。2つ選べ。

a.治療は無菌室が空くのを待ち行う。

b.挙児希望であったので精子保存をする。

c.病状の説明に主治医の他に看護師も同席する。

d.後方視的臨床研究の結果をもとに治療計画を立てる。

e.セカンドオピニオンを希望したので自分の父親が経営する病院を紹介する。

正答の理由

若年男性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫では治療前に挙児希望を確認し、妊孕性温存を速やかに相談します。治療方針や予後の説明は、患者が理解し意思決定できるよう多職種で支えることが適切です。

各選択肢の検討

a.無菌室の空室を待つことは、適応のない環境隔離を優先して治療を遅らせるため不適切です。

b.正しい。抗癌治療開始前に精子凍結保存を含む妊孕性温存を提案します。

c.正しい。看護師も同席し、患者の理解を確認しながら多職種で説明を支援することは適切です。

d.後方視的研究は交絡や選択バイアスを受けやすく、単独で治療計画の根拠にするものではありません。

e.セカンドオピニオンでは患者が希望する専門医療機関を選べるよう、中立的に紹介・情報提供します。親族経営の病院を一方的に指定するのは適切でありません。

覚えるポイント

治療開始前に妊孕性温存を相談し、患者中心の多職種支援を行う。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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