第109回医師国家試験 A60(2015年)
正答:a・b・e
問題
50 歳の男性。咽頭痛を主訴に来院した。 3 日前から咽頭痛が出現し、昨日から嚥下痛を認めるようになったため受診した。流涎と含み声とを認める。軽度の呼吸困難はあるが喘鳴はない。SpO 2 95 %(room air)。喉頭内視鏡像(別冊 No. 32)を別に示す。 急変時に備えて用意しておく対応はどれか。 3 つ選べ。
a.気管挿管
b.気管切開術
c.膿瘍切開術
d.経鼻エアウェイ
e.輪状甲状靱帯穿刺

正答の理由
流涎、含み声、嚥下痛と喉頭蓋の著明な腫脹は急性喉頭蓋炎で、急速な上気道閉塞の危険がある。悪化時の気道確保に備え、気管挿管と外科的気道確保(気管切開、輪状甲状靱帯穿刺)を用意する。経鼻エアウェイでは喉頭蓋レベルの閉塞を解除できず、膿瘍切開の適応も画像から示されない。
各選択肢の検討
a.正しい。上気道閉塞が進行した場合、経験者が気管挿管による気道確保を試みる。
b.正しい。挿管困難・失敗時の外科的気道確保として気管切開を準備する。
c.誤り。提示された喉頭内視鏡は喉頭蓋炎を示すが、局所膿瘍を示さず膿瘍切開の備えは不要。
d.誤り。経鼻エアウェイは喉頭蓋の腫脹による声門上閉塞を解除できず、刺激で悪化するおそれもある。
e.正しい。気管挿管ができず切開を急ぐ場合、輪状甲状靱帯穿刺・切開は緊急の救命的気道確保手段となる。
覚えるポイント
流涎、含み声、嚥下痛と喉頭蓋の著明な腫脹は急性喉頭蓋炎で、急速な上気道閉塞の危険がある。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第109回医師国家試験問題および正答
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 喉頭・気管・食道の病気(急性喉頭蓋炎)
- Merck Manual Professional Edition, Epiglottitis(治療節・補助資料)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。