第109回医師国家試験 A54(2015年)
正答:d
問題
8 歳の男児。落ち着きのなさを主訴に母親に連れられて来院した。幼児期から落ち着きのなさが認められ、遊びでも順番やルールを守ることができなかった。授業中に席を離れることがあり、家では宿題を嫌がってなかなかやらない。成績は中程度であり、身体所見に異常を認めない。 まず行うべき対応として適切なのはどれか。
a.薬物療法を導入する。
b.問題行動には厳しく叱責する。
c.教室全体が見えるように一番後ろに座らせる。
d.集中可能な持続時間を考慮して課題に取り組ませる。
e.母親に対して大人になれば改善することを説明する。
正答の理由
幼児期から続く不注意・多動性・衝動性はADHDを示唆する。課題を遂行できる持続時間に合わせ、短い課題に区切って達成しやすい環境を整えるのが初期の心理社会的支援である。
各選択肢の検討
a.誤り。診断後すぐ薬物療法を始めるより、本人と家族・学校の評価と環境調整を行う。
b.誤り。叱責は症状を改善せず、自尊心や行動上の問題を悪化させ得る。
c.誤り。最前列など教師の目が届き刺激を減らせる席が役立つことがあり、最後列は適切な配慮とは限らない。
d.正しい。集中できる時間に合わせて課題を小分けにし、達成とフィードバックを重ねる。
e.誤り。症状は成人期にも続くことがあり、自然に治ると断言せず支援につなげる。
覚えるポイント
幼児期から続く不注意・多動性・衝動性はADHDを示唆する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。