第109回医師国家試験 A51(2015年)
正答:b
問題
69 歳の女性。手関節の痛みと腫れを主訴に来院した。半年前から手関節の痛みと腫れが持続し、約 1 週前から痛みが強くなり手指の伸展が自力では行えなくなったため受診した。体温 36.0 °C。脈拍 80/分、整。血圧 110/70 mmHg。腱断裂の診断で腱移行術が施行された。手術時に採取した手関節滑膜組織と関節周囲組織の H-E 染色標本(別冊 No. 27A、B)を別に示す。 最も考えられる診断はどれか。
a.滑膜肉腫
b.関節リウマチ
c.変形性関節症
d.サルコイドーシス
e.色素性絨毛結節性滑膜炎

正答の理由
慢性手関節滑膜炎に伴う伸筋腱断裂がある。別冊No.27Aの滑膜には絨毛状増殖と炎症細胞浸潤、No.27Bの関節周囲組織には中心部のフィブリノイド壊死と周囲の細胞配列がみられ、リウマトイド結節に合う。臨床経過と組織像を合わせて関節リウマチと判断する。
各選択肢の検討
a.誤り。滑膜肉腫は通常軟部組織悪性腫瘍で、組織像も単調な紡錘形細胞性腫瘍を示す。
b.正しい。慢性増殖性滑膜炎に加え、関節周囲のリウマトイド結節様病変があり、関節リウマチによる伸筋腱断裂を説明する。
c.誤り。変形性関節症は軟骨変性・骨棘などが主体で、強い慢性滑膜炎による腱断裂を説明しにくい。
d.誤り。サルコイドーシスなら類上皮細胞肉芽腫が病理の手掛かりとなる。
e.誤り。色素性絨毛結節性滑膜炎ではヘモジデリンを含む組織球、泡沫細胞、巨細胞が目立つ。
覚えるポイント
慢性手関節滑膜炎に伴う伸筋腱断裂があり、滑膜標本には絨毛状増殖と慢性炎症細胞浸潤を認め、関節周囲にも炎症性変化がある。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第109回医師国家試験問題および正答
- 日本リウマチ学会 関節リウマチ診療ガイドライン2024
- National Library of Medicine, MeSH: Rheumatoid Nodule
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。