第109回医師国家試験 A34(2015年)
正答:e
問題
34 75 歳の男性。歩行時の下肢痛を主訴に来院した。半年前から 200 m 程度の歩行で右下腿が痛み出して立ち止まらなければならなくなった。改善しないため受診した。痛みは 2、 3 分で消失し、再び歩行が可能になる。右大腿動脈の触知は左大腿動脈に比べて弱い。腹部・骨盤部 CT 血管造影写真(別冊 No. 15)を別に示す。
治療法として適切でないのはどれか。
a.運動療法
b.血管拡張薬
c.バイパス術
d.経皮血管形成術〈PTA〉
e.バルーンカテーテルによる血栓除去別冊 No. 15

正答の理由
歩行で右下腿痛が出現し休息で軽快する間欠性跛行があり、CT血管造影では大動脈腸骨動脈領域の慢性閉塞を認めます。運動療法・薬物療法や血行再建を検討しますが、慢性閉塞に血栓除去用バルーンを用いるのは適切でありません。
画像の見方
腹部・骨盤部CT血管造影。原本別冊の該当図版を目視確認した。
各選択肢の検討
a.運動療法:誤り(適切)。間欠性跛行には構造化運動療法が推奨され、歩行機能を改善します。
b.血管拡張薬:誤り(適切)。間欠性跛行にはシロスタゾールなどで歩行症状の改善を図る選択肢があります。
c.バイパス術:誤り(適切)。症状が強く保存療法で不十分なら解剖と全身状態に応じて外科的血行再建を検討します。
d.経皮血管形成術:誤り(適切)。解剖学的に適応があれば慢性狭窄・閉塞に血管内治療を行えます。
e.バルーンカテーテルによる血栓除去:正しい(不適切な治療)。血栓除去は急性血栓閉塞などに用いる手技で、慢性動脈硬化性閉塞による跛行の治療ではありません。
覚えるポイント
慢性閉塞性動脈硬化症の跛行に血栓除去術を選ぶ病態ではない。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第109回医師国家試験問題および正答
- 2024 ACC/AHA Guideline for the Management of Lower Extremity Peripheral Artery Disease
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。