肺転移を伴う非セミノーマ性精巣腫瘍|第108回医師国家試験I80

第108回医師国家試験 I80(2014年)

正答:b・d

問題

80 29 歳の男性。咳嗽を主訴に来院した。 1 年前から左陰囊の無痛性腫大を自覚していたがそのままにしていた。 3 か月前から咳が出るようになり市販の鎮咳薬を内服しても軽快しないために受診した。意識は清明。身長 176cm、体重 74 kg。体温 36.8 °C。脈拍 88/分、整。血圧 110/72 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 98 %(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。血液所見:赤血球 462 万、Hb 14.0 g/dl、Ht 43 %、白血球 7,800、血小板 35 万。血液生化学所見:LD 853 IU/l (基準 176~353)、hCG 105 m IU/ml。α-フェトプロテイン〈AFP〉974 ng/ml(基準 20 以下)。陰囊部超音波検査で左精巣に長径 8 cm の内部不均一な充実性腫瘤像を認める。腹部造影 CT で他臓器への転移を認めない。胸部エックス線写真 (別冊 No. 34A)と肺野条件の胸部単純 CT(別冊 No. 34B)とを別に示す。行うべき対応はどれか。 **2つ選べ**。

a.精巣の針生検

b.抗癌化学療法

c.肺病変の針生検

d.高位精巣摘出術

e.抗菌薬の点滴静注

胸部X線写真Aと胸部CT B。多発肺結節を示す。
別冊No.34 A・B(I問題80) / 出典:厚生労働省・第108回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

若年男性の精巣内充実性腫瘤にAFP・hCG上昇を伴い、非セミノーマ性胚細胞腫瘍が疑われる。肺に多発転移を認めるため全身化学療法が必要であり、精巣腫瘍の原発巣診断と局所制御のため高位精巣摘出術を行う。

各選択肢の検討

a.誤り。精巣腫瘍が強く疑われる場合、経陰嚢針生検は播種・局所再発の懸念があり行わない。

b.正しい。肺転移を伴う転移性胚細胞腫瘍では病期・リスク分類に基づく全身化学療法を行う。

c.誤り。肺転移は画像で評価でき、原発巣の診断に肺病変の針生検は通常不要。

d.正しい。精巣腫瘍では高位精巣摘出術が診断・局所治療の基本である。

e.誤り。多発肺転移を伴う胚細胞腫瘍に抗菌薬は無効である。

覚えるポイント

精巣腫瘍では経陰嚢生検を避け、高位摘出と病期に応じた全身治療を行う。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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