第108回医師国家試験 I49(2014年)
正答:b
問題
49 1か月の乳児。頻回の嘔吐と体重減少とを主訴に母親に連れられて来院した。在胎 38週、2,750 g にて出生。 1週前から、哺乳のたびに噴水様の嘔吐を認めるようになり、体重も減少してきたため受診した。皮膚のツルゴールが低下している。母親の妊娠中には特に問題はなかった。
この疾患について正しいのはどれか。
a.女児に多い。
b.非胆汁性嘔吐である。
c.β遮断薬が有効である。
d.高カリウム血症を示す。
e.呼吸性アルカローシスとなる。
正答の理由
哺乳ごとの噴水状嘔吐と脱水を示す1か月児では肥厚性幽門狭窄症が考えられる。幽門輪の狭窄で胃内容が十二指腸へ進みにくく、胆汁が混ざる前に嘔吐するため非胆汁性となる。
各選択肢の検討
a.誤り。肥厚性幽門狭窄症は男児に多い。
b.正しい。幽門狭窄のため胆汁が混入する前の胃内容を嘔吐し、非胆汁性となる。
c.誤り。治療は脱水・電解質異常の補正後に行う幽門筋切開術であり、β遮断薬は有効な治療ではない。
d.誤り。遷延する嘔吐では低カリウム血症を伴うことが多い。
e.誤り。胃酸喪失により代謝性アルカローシスとなる。
覚えるポイント
肥厚性幽門狭窄症は、生後数週に始まる非胆汁性の噴水状嘔吐と低Cl・低K性代謝性アルカローシスが典型。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第108回医師国家試験問題および正答
- Clinical Practice Guidelines: Pyloric stenosis, Royal Children’s Hospital Melbourne
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。