乳児の還納性鼠径ヘルニア|第108回医師国家試験I48

第108回医師国家試験 I48(2014年)

正答:d

問題

48 2か月の男児。右下腹部の膨らみを主訴に母親に連れられて来院した。全身状態は良好であり、機嫌もよい。膨らみを触れても痛がる様子はない。強く押すと消失するが離すとまた膨らむ。下腹部の写真(別冊 No. 15)を別に示す。

母親への説明として適切なのはどれか。

a.「緊急手術が必要です」

b.「膨れた時には浣腸してください」

c.「いつもより哺乳量を減らしてください」

d.「時々押して平らになることを確認してください」

e.「できるだけ泣かさないように注意してください」

この問題の写真(別冊No.15)は、このページには掲載していません。出典:厚生労働省・第108回I別冊(原本の該当ページ)で確認できます。

正答の理由

写真と診察所見から、圧迫で腹腔内へ戻る還納性鼠径ヘルニアです。全身状態が良く痛みもなく還納できる場合は緊急手術ではなく、小児外科へ速やかに紹介して予定手術を検討します。家庭では膨隆時に還納できることを確認し、痛みや還納不能があれば緊急受診するよう伝えます。

各選択肢の検討

a.誤り。痛みや嵌頓の所見がなく容易に還納できるため、ただちに緊急手術が必要な状態ではありません。ただし乳児鼠径ヘルニアは自然閉鎖しないので外科紹介は必要です。

b.誤り。浣腸は鼠径ヘルニアの治療ではなく、腸閉塞の予防にもなりません。

c.誤り。哺乳量を減らしてもヘルニア門は閉鎖せず、通常の栄養摂取を制限する理由はありません。

d.正しい。膨隆したときにやさしく還納できることを確認し、還納不能、痛み、発赤、嘔吐などがあれば嵌頓を疑って速やかに受診するよう説明します。

e.誤り。泣くことを完全に避ける必要はなく、泣かせないようにしてもヘルニアの根治にはなりません。

覚えるポイント

還納性でも乳児鼠径ヘルニアは小児外科へ紹介し、嵌頓を疑う痛み・還納不能などは緊急評価します。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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