心タンポナーデで低頻度の所見|第108回医師国家試験I41

第108回医師国家試験 I41(2014年)

正答:d

問題

41 58歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。2年前に乳癌で左乳房切除術を受けている。呼吸困難は3週前から徐々に進行してきている。収縮期の心エコー図(別冊No. 10A、B、C)を別に示す。

この患者に認められる可能性が**低い**のはどれか。

a.奇脈

b.頻脈

c.肝腫大

d.高血圧

e.頸静脈怒張

収縮期心エコー図。傍胸骨長軸・短軸像および心尖部四腔像。
別冊No.10 A・B・C(I問題41) / 出典:厚生労働省・第108回I別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

心エコー図では多量の心嚢液貯留があり、心タンポナーデが疑われます。乳癌の既往から悪性心嚢液も原因候補ですが、画像のみで原因は確定できません。心タンポナーデでは頻脈、頸静脈怒張、奇脈、静脈うっ血による肝腫大などを認め得ます。心拍出量低下に伴う低血圧が典型で、高血圧は最も考えにくい所見です。

各選択肢の検討

a.誤り。心膜内圧が上昇すると吸気時の左室充満が制限され、収縮期血圧が大きく低下する奇脈が現れ得ます。

b.誤り。心拍出量を保とうとする代償性の洞性頻脈が起こりやすい所見です。

c.誤り。右心系の拡張障害から静脈圧が上昇し、肝うっ血・肝腫大を来すことがあります。

d.正しい。心タンポナーデでは心拍出量低下に伴い低血圧になりやすく、高血圧は他の選択肢より可能性が低い所見です。

e.誤り。右房圧上昇を反映して頸静脈怒張がみられます。

覚えるポイント

心タンポナーデでは奇脈、頻脈、頸静脈怒張、肝うっ血が起こり得て、血圧は低下しやすくなります。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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