第108回医師国家試験 H26(2014年)
正答:d
問題
26 75歳の男性。転びやすいことを主訴に来院した。4日前から少しずつ歩行が不安定となり転倒しそうになることが多くなった。家族は1週前から受け答えもつじつまが合わないと言う。1か月前、歩行中に転倒して右側頭部を打ち、裂創を生じたため他院で縫合処置を受けた。
最も考えられるのはどれか。
a.脳挫傷
b.脳梗塞
c.急性硬膜外血腫
d.慢性硬膜下血腫
e.びまん性軸索損傷
正答の理由
高齢者が軽い頭部外傷を受けた数週後に、歩行障害や認知・行動の変化が徐々に出現する経過は慢性硬膜下血腫に典型的です。急性硬膜外血腫やびまん性軸索損傷は通常受傷直後の急性意識障害を呈し、脳梗塞は今回の緩徐な数週間の経過を説明しにくいです。
各選択肢の検討
a.脳挫傷:通常は受傷直後から急性の神経症状を呈し、数週後の緩徐な悪化とは合いません。
b.脳梗塞:可能性はありますが、軽微な頭部外傷後に遅れて進む歩行・認知症状は慢性硬膜下血腫をより示唆します。
c.急性硬膜外血腫:受傷直後の急性経過が一般的で、1か月後の緩徐な症状とは合いません。
d.慢性硬膜下血腫:高齢者の軽微な頭部外傷から数週後に歩行障害や認知変化が進む経過に合います。正答です。
e.びまん性軸索損傷:重症頭部外傷直後の意識障害が典型で、本例の遅発性経過とは異なります。
覚えるポイント
高齢者の軽微な頭部外傷後、数週遅れて出現する認知・歩行障害では慢性硬膜下血腫を考える。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第108回医師国家試験問題および正答
- 厚生労働省「第108回医師国家試験 H問題」
- 厚生労働省「第108回医師国家試験 正答値表」
- MedlinePlus Medical Encyclopedia. Chronic subdural hematoma
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。