球脊髄性筋萎縮症|第108回医師国家試験D30

第108回医師国家試験 D30(2014年)

正答:b

問題

30 60 歳の男性。嚥下障害を主訴に来院した。35 歳ころに下肢の筋力低下が出現し、徐々に進行した。40 歳ころには上肢にも筋力低下が出現し、両手に粗大な動作時振戦がみられるようになった。50 歳ころには、ろれつが回りにくくなり、半年前から嚥下障害が出現し鼻声になった。平地歩行はかろうじて可能である。発話の際に顔面筋の線維束性収縮が認められる。患者は 3 人兄弟の末子で兄が同じ症状を示すという。挺舌時の写真(別冊 No. 13)を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

a.Huntington 病

b.球脊髄性筋萎縮症

c.遺伝性脊髄小脳変性症

d.Charcot-Marie-Tooth 病

e.Becker 型進行性筋ジストロフィー

挺舌時の写真(別冊No.13)。
別冊No.13 / 出典:厚生労働省・第108回D別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

成人男性に進行する四肢筋力低下、手指の動作時振戦、球麻痺、顔面筋線維束性収縮があり、兄にも同症状があります。X連鎖性の球脊髄性筋萎縮症が最も考えられます。

各選択肢の検討

a.Huntington病:誤り。舞踏運動や認知・精神症状を主とする疾患で、末梢性筋力低下と球麻痺の家族内発症に合いません。

b.球脊髄性筋萎縮症:正しい。成人男性で緩徐進行性の筋力低下・球症状・筋線維束性収縮を示し、X連鎖遺伝します。

c.遺伝性脊髄小脳変性症:誤り。小脳失調や眼球運動異常などが中心で、本例の運動ニューロン徴候とは異なります。

d.Charcot-Marie-Tooth病:誤り。遠位筋萎縮や感覚障害、足変形を呈し得ますが、球麻痺や顔面筋線維束性収縮が典型ではありません。

e.Becker型進行性筋ジストロフィー:誤り。若年からの近位筋力低下やふくらはぎ仮性肥大が中心で、球脊髄症状が目立つ本例とは異なります。

覚えるポイント

成人男性の緩徐進行性筋力低下と球麻痺、X連鎖家族歴では球脊髄性筋萎縮症を考える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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