第108回医師国家試験 D8(2014年)
正答:e
問題
Creutzfeldt-Jakob病が疑われる患者の脳外科手術に用いた金属器具の滅菌法で最も適切なのはどれか。
a.蟻酸浸漬
b.ポビドンヨード液浸漬
c.通常のオートクレーブ法
d.グルタールアルデヒド浸漬
e.ドデシル硫酸ナトリウム〈SDS〉煮沸
正答の理由
プリオンは通常の消毒・滅菌に抵抗性があり、通常のオートクレーブのみでは不十分である。出題当時の選択肢ではSDS煮沸が最も適切な処理として選ばれる。現在の日本の指針ではSDS煮沸単独も不完全な不活化法とされ、実用性の点でも推奨されない。器具の耐性やリスクに応じた洗浄・化学処理・加圧蒸気滅菌の組合せを用いるため、当時の試験正答を現在の施設手順と混同しない。
各選択肢の検討
a.誤り。蟻酸単独浸漬は、手術器具に対する標準的なプリオン不活化手順ではありません。
b.誤り。ポビドンヨード液は通常の消毒薬であり、プリオンの不活化には不十分です。
c.誤り。通常のオートクレーブ条件だけではプリオンを確実に不活化できません。
d.誤り。グルタールアルデヒドはプリオン対策として信頼できる不活化法ではなく、むしろ固定化により除去を難しくするおそれがあります。
e.正しい。出題当時の選択肢ではSDS煮沸が最も適切です。ただし現行指針ではSDS煮沸単独は不完全で、実用性の点からも推奨されません。
覚えるポイント
プリオンは通常の消毒・滅菌に抵抗性がある。現在の手順はWHO・CDCの化学処理と加圧蒸気滅菌の組合せを確認する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第108回医師国家試験問題および正答
- 日本神経学会ほか「プリオン病感染予防ガイドライン2020」
- CDC, “Infection Control for CJD”
- 日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン2017 第15章 プリオン病」
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。