小児陰囊水腫|第107回医師国家試験I61

第107回医師国家試験 I61(2013年)

正答:e

問題

7歳の男児。右陰囊の腫れを主訴に来院した。ペンライトを用いての診察所見の写真(別冊No. 19)を別に示す。

保護者に対する説明で適切なのはどれか。

a.「陰囊の中に腸が入り込んでいます」

b.「自然に治るので心配はありません」

c.「バンドで鼠径部を圧迫しましょう」

d.「精巣から戻る血液がうっ滞しています」

e.「学校の休みに合わせて手術をしましょう」

この問題の写真(別冊No. 19)は、このページには掲載していません。出典:厚生労働省・第107回I別冊(原本の該当ページ)で確認できます。

正答の理由

右陰囊の腫大がペンライトで均一に透光するため、陰囊水腫(精巣水瘤)です。小児の陰囊水腫は腹膜鞘状突起の開存によるものが多く、乳児期は自然消失が期待できますが(1歳未満で92%)、3歳以上では消失率が43%に下がり、持続する水腫は手術適応となります。7歳で持続しており、精巣を傷めるなどの緊急性はないため、学校の休みなどに合わせて待機的に手術(鼠径部切開での開存鞘状突起の結紮など)を計画します。

各選択肢の検討

a.誤り。腸が陰囊内に脱出する鼠径ヘルニアは、腹圧で大きくなり還納でき、腸蠕動音を聴くことがありますが、本例のような均一な透光性は液体の貯留を示します。

b.誤り。乳児期には自然消失が多いものの年齢とともに消失率は低下し、7歳まで持続する水腫は手術適応です。

c.誤り。小児陰囊水腫の管理は経過観察か開存鞘状突起の結紮手術であり、バンドによる鼠径部の圧迫は治療法ではありません。

d.誤り。精巣からの静脈血のうっ滞は精索静脈瘤で、立位で「虫の袋」のように触れ、左側に多い病態です。透光性を示す右陰囊腫大とは異なります。

e.正しい。持続する小児陰囊水腫は待機的手術の適応で、緊急性はないため学校の休みに合わせて計画できます。

覚えるポイント

陰囊腫大+透光性陽性=陰囊水腫。乳児期は経過観察、持続すれば待機的に鞘状突起の結紮手術。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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