脳梗塞のt-PA静注療法前の問診|第107回医師国家試験I35

第107回医師国家試験 I35(2013年)

正答:a・e

問題

急性期の虚血性脳血管障害の患者にt-PA〈tissue plasminogen activator〉治療を行う上で聴取すべきことはどれか。2つ選べ。

a.発症の時刻

b.最終飲食の時刻

c.高血圧症の既往

d.歯科治療の既往

e.頭蓋内出血の既往

正答の理由

t-PA(アルテプラーゼ)静注療法は発症から4.5時間以内に限って行うため(わが国では2012年8月に3時間以内から4.5時間以内へ延長され、本試験の時点で既に4.5時間でした)、発症時刻(不明なら最終未発症確認時刻)の聴取が必須です。また出血性合併症を避けるため、非外傷性頭蓋内出血の既往などの適応外(禁忌)項目を確認します。

各選択肢の検討

a.正しい。投与可否は発症からの経過時間で決まるため、発症時刻の確認が不可欠です。

b.誤り。最終飲食時刻は全身麻酔や内視鏡の誤嚥対策で問うもので、t-PAの適応・禁忌項目には含まれません。

c.誤り。日本脳卒中学会の指針で適応外とされるのは降圧療法後も収縮期185 mmHg以上・拡張期110 mmHg以上という治療前の現在の血圧で、高血圧症の既往の有無は適応外項目ではありません。

d.誤り。適応外項目は3か月以内の重篤な頭部脊髄の外傷・手術、14日以内の大手術、21日以内の消化管・尿路出血など(慎重投与に10日以内の生検・外傷)で、一般的な歯科治療の既往は判断項目に挙げられていません。

e.正しい。非外傷性頭蓋内出血の既往はアルテプラーゼ静注療法の適応外(禁忌)項目で、投与すると出血の危険が大きくなります。

覚えるポイント

t-PA静注前は「いつ発症したか」と「出血リスク(頭蓋内出血既往・最近の手術/出血・現在の血圧)」を確認する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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