第107回医師国家試験 I19(2013年)
正答:d
問題
両側乳房の腫大が認められる7歳の女児に対して、診断のためまず行うべき検査はどれか。
a.頭部MRI
b.血中hCG測定
c.腹部超音波検査
d.手エックス線撮影
e.血中プロラクチン測定
正答の理由
女児の思春期の最初の徴候は乳房発育で、8歳未満での出現は思春期早発症を疑います。まず性ホルモンの作用で骨成熟が進んでいるかを手(左手・手関節)のエックス線撮影による骨年齢で確認します。骨年齢の促進や成長加速があれば、LH・FSH・エストラジオールなどのホルモン測定でゴナドトロピン依存性か否かを判断し、その後に必要に応じて頭部MRIや骨盤・副腎の超音波検査を追加します。骨年齢が進まない乳房発育は、非進行性の早発乳房(premature thelarche)を考えます。
各選択肢の検討
a.頭部MRI。誤り。中枢性(ゴナドトロピン依存性)思春期早発症と判断された後に頭蓋内病変を除外するための検査で、最初に行う検査ではありません。
b.血中hCG測定。誤り。hCG産生腫瘍は精巣のLH受容体を刺激して男児のゴナドトロピン非依存性思春期早発症を起こす原因で、女児の乳房腫大の初期評価には用いません。
c.腹部超音波検査。誤り。卵巣や副腎の性ステロイド産生病変を探す検査で、ホルモン値からゴナドトロピン非依存性が疑われた場合に追加します。初回検査ではありません。
d.手エックス線撮影。正しい。骨年齢を評価し、性ホルモン作用による骨成熟の促進(真の思春期進行)を確認する最初の検査です。
e.血中プロラクチン測定。誤り。高プロラクチン血症は乳汁漏出や無月経の評価に用いる検査で、思春期早発症の診断手順(骨年齢・LH/FSH・エストラジオール)には含まれません。
覚えるポイント
女児の8歳未満の乳房発育は思春期早発症を疑い、まず手のX線で骨年齢を評価する。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。